otokunaga returns

人生の所感およびプログラミングメモ帳

書評「オール・イン 実録奨励会三段リーグ」

            こんにちは、otokunagaです。

今回は、友人から紹介してもらった本の感想を書きます。 まずタイトルの本なのですが、かつて将棋のプロ棋士を目指していた 筆者の天野さんが、人生において2度大きな転機(将棋のプロという夢への挫折、ステージ4の癌発症)を迎え、 どのように受け止めてきたのかが詳細に語られています。 とくに、筆者の天野さんの人生に対する洞察は大変鋭く、私自身立ち止まって人生について考えさせられました。 例えば、将棋の世界と人生の類似性については次のような言葉で述べられています。

将棋と人生の最大の類似性は、有限の持ち時間のなかで「決断」を続けなければいけない厳しさと面白さだ。 一手一手の指し手は、たとえそれが好手であっても悪手であっても、取り消すことのできない決断として盤上に刻まれていく。

上記の言葉にもあるように、人生の1手は長い時間は待ってくれません。私は、今博士課程というかなり恵まれた環境の中で将棋でいうところの長考を させてもらっている状況だと思っています。しかしながら、時間は常に流れており、私自身の人生は確実に終焉に近づいています。 たとえ終焉を迎えたとしても後悔することがないよう人生における1手を選択していきたいと本書を読み終わった今考えています。 筆者の天野さん、そして本書を紹介してくれた友人に深く感謝します。